EXHIBITIONS

本展は、異なる背景をもつ作家たちが集い、それぞれの眼差しを通して「いま」という時代を見つめ直す試みです。

私たちが生きる現代は、絶え間なく変化し続けています。移民や難民をめぐる問題は人の尊厳や暮らしを揺るがし、気候変動は自然環境や都市に直接的な影響を与えています。さらにパンデミックの記憶もまた、社会の基盤や人と人との距離感に影響を残しています。これらの出来事は決して抽象的なニュースではなく、私たち一人ひとりの生と密接に関わり、表現の在り方を大きく規定しています。

本展の作品は、その複雑な現実を一方向的に語るのではなく、断片を拾い集め、異なる眼差しを交錯させることで、多様な問いを投げかけようとするものです。

アトリエリッケンバッカーは、若い世代の写真家が集い、互いに刺激を与えながら世界と対話していく場でありたいと考えています。写真や映像、オブジェクトなどの表現を通して、個人と社会、ローカルとグローバルのあいだに潜む目に見えない糸をすくい上げ、それを作品として提示することで、時代に応答することを目指しています。

本展を通じて、多くの方々に新たな視点や対話のきっかけをお届けできれば幸いです。