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 アートフェア東京2022  3月11日(金)〜13日(日)Projects P005   https://artfairtokyo.com/2022/galleries/721

RED AND BLUE GALLERY は熊倉涼子の新作で出展します。

チケットをご希望の方はご連絡ください。

 

 

 

 

 熊倉涼子は、一貫して「静物画」という主題のもと、写実的な描写とラフな筆致の組み合わせ、画中画などの多様なイメージによる異化作用によって、ちょっと奇妙で瑞々しい豊かな絵画空間を生み出して来ました。

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Still Life with Animals, Flowers, Vegetables in Pot, and Landscape Oil on canvas 97.0 162.1cm, 2016

2016年の個展「PICTOMANCY」ではぬいぐるみなど既成のおもちゃと自作のミニチュア書割りによる舞台セットをモチーフとした作品を発表しました。自ら工作し舞台を演出する過程では、立体物をあえて平面化したり、逆に平面イメージから立体化することで起こる「ミスコピー」や、生身の手による「癖」を取り入れながら、騙し絵のような世界を作り出してきました。それらを実際にキャンバスに描く過程では、「平面的な描写」と「立体的な描写」のレイヤー、「写実的な描写」と「ラフな描写」のレイヤーが、独特の重なり具合やズレを構成することで奥行きや動きを感じさせました。

2018_11 のコピー

 

Star   45.5×37.9cm  Oil on Canvas Silkscreen print 2018

次の2018年の個展「Pseudomer」では似非科学(pseudoscience)にまつわる新しいテーマが加わりました。「歴史として残っているものはその中のほんの一部で忘れられたものや止まってしまったものが下層に多く重なっています。取材したイメージを元にモチーフを工作し、絵画に描く私の制作は、そのかたちを探り直すことであり、人々が世界の輪郭を求めて試行錯誤を重ねた過程そのものをなぞる行為でもあります。そのように描くことを通じて、イメージの裏側に蓄積されたものが垣間見えるような作品を目指しています。」と熊倉は新たなテーマについて語っています。

 また並行して熊倉は「塗り絵シリーズ」と呼ばれる作品も数多く制作してきました。それは生物や果物を模した折り紙細工を、透明な色を塗り重ねるグリザイユ技法に基づいて写実的に描いた後に、ラフな筆致、色帯のストロークによって仕上げられた小品ながらとても重厚感のある作品群です。絵画とは、「平面的なもの」であり「色を塗ること」、という自明のことわりを再認識させられます。tapir_web

Tapir  13.9×17.9cm  Oil on Canvas 2021

熊倉涼子の今日までの挑戦によって生まれた作品シリーズは、多数のレイヤーによって構成される絵画世界のイリュージョンを追い求めた過程とも言えます。本来静止した物体を描いたはずの静物画というジャンルでありながら、見る者の視覚や感情、思考にも揺さぶりをかけようとする作家の企みでしょう。

3月11日より東京国際フォーラムで開催されるアートフェア東京2022、Projectsにて本展示以降の新作10点を発表するにあたり、改めてこれまでのシリーズの着想や関連性を振り返る展覧会を同時開催することによって、作家のスタイルが形作られ近作に至るまでの「道標」、メルクマールをさまざまな視点から見つめる好機となるはずです。

是非ご高覧頂くよう、お願い申し上げます。

<作家プロフィール>

熊倉涼子 Ryoko Kumakura

1991年東京生まれ。2014年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。現在、東京を拠点に活動している。

歴史の中で人々が世界を理解しようとする過程で生まれたイメージを元に、絵画を制作。あるひとつの事柄に対して多面的な視点で図像を集め、それを元に作品を構成している。そのようにして同じものに関する性質の異なるイメージを等価に扱うことで、正しさの脆さを提示する。また、写実的な描写や落書きのような線などの複数の描写法を混ぜたり、画中画やだまし絵の手法を用いることで、視覚的にも揺さぶりをかけ、目に見えるものとは何かを問う作品を制作している。

 

<受賞、その他>

2021 第34回ホルベイン・スカラシップ奨学生

2019 群馬青年ビエンナーレ 入選

2017 FACE2017 損保ジャパン日本興亜美術賞 入選

2014 多摩美術大学卒業制作展 福沢一郎賞

2013 平成25年度 日本文化藝術財団奨学生

2011 第47回神奈川県美術賞 準大賞受賞

 

<個展>

2019 「coniunctio」MEDEL GALLERY SHU(帝国ホテルプラザ)、東京

2018 「Pseudomer」RED AND BLUE GALLERY、東京

2016 「PICTOMANCY」RED AND BLUE GALLERY、東京

2013 「Frame In-out」 GALLERY KINGYO、東京

 

<グループ展>

2021 「DELTA 2021」シーサイドスタジオCASO、大阪

       「シブヤスタイル vol.15」西武渋谷店美術画廊、東京

       「HOLBEIN ART FAIR 2021」+ART GALLERY、東京

       「MITSUKOSHI Art Weeks」日本橋三越本店、東京

       「Everything but…」 Tokyo International Gallery、東京

2019 「STATION! in PACK 2019」Post Territory Ujeongguk、ソウル

       「MID CORE」TAV GALLERY、東京

2018 「DI-VISION/0」TAV GALLERY、東京

       「ANOTHER LENS 新たな視点」JR上野駅Breakステーションギャラリー、東京

2017 「密柑山スケッチブック」(リトグラフ展) See Saw Gallery +hibit、名古屋

       「そ」(日本文化藝術財団奨学生展) 京都造形芸術大学・東北芸術工科大学外苑キャンパス、東京

2016 「吉原芸術大サービス」旧吉原地区にて、東京

2015 「SHIBUYA STYLE vol.9」西武渋谷店美術画廊、東京

       「シブカル祭。2015」パルコミュージアム、東京

       「ASIA WEEK NEW YORK」Bernarducci Meisel Gallery、ニューヨーク

 

<その他>

2017 和光大学クリエイティブ特別講義

2016 個展「PICTOMANCY」関連トーク 林道郎(美術史家/上智大学教授)× 飯盛希(美術批評)

 

 

 

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