この度、RED AND BLUE GALLERYでは2014年に逝去した⾠野登恵⼦のすべて未発表、無題のドローイング作品計16点による展覧会を開催します。
その多くは⽊炭や⽔彩絵具で描かれた⼩品の作品群ですが、それ故作家の筆致の⼒強さと共に⾊彩と形態による繊細なニュアンスが⼿に取るように感じられる貴重な鑑賞体験を与えてくれます。
また同時に、作家が⽬指していた絵画空間におけるイリュージョンの創造、それは抽象的なイメージではなく、丸や四⾓といった幾何学的な形象ですらない、今にも揺れながら動き出そうとする⽣命体のような存在物を現そうとした探究の⾜跡を垣間⾒れる機会となることでしょう。
今回もまたご遺族様のご厚意により貴重な作品群をお借りして展覧会を開催出来ることを⼤変光栄に感じております。
ぜひご高覧のほど、よろしく御願い申し上げます。
辰野登恵子 UNTITLED 「抽象的なるものと幾何学的なるものから離れた存在物」
2023/11/24〜12/23
UNTITLED charcoal, watercolor on paper 31.0×25.0cm 1992年